“ネット炎上”を炎上で供養?保険も登場…

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東京2018.10.12 19:04

歴史ある寺が今月、インターネットで“炎上”した発言の供養を始めた。過激化する“ネット炎上”。私たちもいつ巻き込まれるかわからない「災難」とどう向き合えばいいのだろうか。

新潟最古の寺「国上寺」。毎朝、供養するのは、インターネット上で批判が殺到した“炎上”発言。寺では今月“炎上”の被害者がその原因となった発言を奉納できる専用サイトを開設。今週開かれた年1度の大祭では、奉納された500件近くの“炎上”発言を木の札に書き込み、たき上げた。

〜「炎上 供養」ネットの声〜

「もう笑うしか無い」

「ネットで嫌な思いした皆ー!たき上げてくれるぞー!!!!」

「炎上独特のマイナス感情を焼いてしまうのはアリ」

なぜ“ネット炎上”は歴史ある寺をも動かしたのだろうか。“ネット炎上”について街の人は−。

主婦「ネット上でやっぱりありますよね。ママ同士とかで。顔見たこともない誰かも分かんないんだけど、発言に対して『それ違うんじゃない?』とかバーッて書いてあったりとかはたまに見かけます」

大学生「(被害者になったら)結構メンタルやられると思います」

悪気のない投稿などがきっかけで思わぬ批判の嵐を受ける“ネット炎上”。一方、その現状について専門家は−。

国際大学GLOCOM・山口真一講師「2015年には1000件以上(炎上)。今日もどこかで誰かが燃えているというようなのが炎上の現状」

“炎上供養”をする寺には事件事故やタレントについての“炎上発言”など1日約50件が寄せられるという。供養を始めたきっかけは−。

国上寺・山田光哲住職「お寺の方のブログで書き込んだときに少し批判されたこともありまして、炎上している方々の気持ちというものも私的には分かるのかなと。炎上供養というふうなものが世の中にはまた必要かなと」

   ◇

今、“炎上”への危機感は企業にも広がっている。保険会社「損保ジャパン日本興亜」が始めたのは、企業向けの「ネット炎上対応費用保険」。

損保ジャパン日本興亜・河野陽一さん「(ネットの)炎上状態を拡散、拡大することを防ぐ、それにかかる対応費用というものを保険でまかなっております」

“炎上”の収束にはコールセンターの増員費など平均1000万円近くがかかるといい、その費用が補償されるという。補償を受ける企業は、ネット炎上につながる書き込みがないか24時間監視してもらう必要がある。AIとスタッフが約120の情報サイトを24時間365日体制で監視するサービス。

鈴江C「実際にパソコンでどうやって見つけていくんですか」

エルテス リスクコンサルタント・井上誠さん「こちらのシステム上の『検索ワード』のところで、例えば『異物』っていうふうにキーワード設定していってですね」

鈴江C「ずらっとツイッターのコメントですね。出てきました」

企業にとってマイナスのコメントなどを察知し、すぐに報告“炎上”を未然に防ぐという。

   ◇

“炎上”が犯罪にまでエスカレートするケースもある。弁護士の唐澤貴洋さん(40)は“ネット炎上”の被害者を弁護していたところ、自らが批判の対象になったという。

唐澤貴洋弁護士「誹謗(ひぼう)中傷ですね。私に対して詐欺師だとか」

批判はエスカレートし、90万件を超える殺害予告を受けたという唐澤さん。住所も特定され、カッターの刃と「めった刺し」などと書かれた脅迫文が送られてきた。送ってきた男はその後逮捕された。

唐澤貴洋弁護士「カッターナイフ(の刃)がですね。こういった封書にですね。同封されていました」「自分の生活の平穏というのが著しく侵されている感じがしました。それに伴ってですね、なかなか夜寝られなかったりとか」

巨大な敵を作ったように感じがちな“炎上”。しかし専門家の研究によると“炎上”による批判はごく一部の意見に過ぎないという。

山口真一講師「ネットユーザーの200人に1人くらいしか炎上には書き込んでいないと。極端な意見とか批判的な意見ほどネット上には多く書かれているということが分かっている」

“炎上”を防ぐには政治やジェンダーなど炎上しやすい話題に注意し、批判に反論しないことが大切だという。