8月1日(日)7:30~8:00
ふるさと探訪シリーズ・わが街こころの風景⑥
『熱き能登の民 ~能登町~』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
梅雨明け以来、猛暑が続いていますが、
今回はもっともっと熱い人たちをご紹介します!
◎日本海にたなびかせ
その多さから「祭りの宝庫」とも言われる能登半島。
中でも能登町に受け継がれる祭りは他の地域と比べものにならない程の
個性を放っています。
縦17m、横2mの巨大な旗をたなびかせ、さっそうと日本海を走る船。
石川県の無形文化財に指定されている
「供旗祭(ともばたまつり・5月上旬)」に見られる勇壮な風景です。
旧・内浦地区に昔から伝わるこの祭りの命ともいえる旗は、
少子化で大人の手を借りているものの
地域の子どもたちが中心になって作っています。
美濃紙およそ400枚を繋ぎ合わせ、金銀の紙を貼り付けたり、
彩色を施すなどして、約1週間ほどで仕上げます。
旗には「家内安全」や「豊漁祈願」といった地区ごとの願いが書かれ、
祭り当日には大人も子どもも一緒になって九十九湾内をパレードします。
条件が良ければ、日本海のかなたには雄大な立山連峰も見えて、
その前をズラリと並んだ船…というより、旗が勢ぞろいする様は圧巻。
海とのつながりが深い能登ならではの風景ですね。
◎これぞ能登の祭りだぜィ!
旧能都町、宇出津地区に
本格的な夏の到来を告げるのが「あばれ祭(7月上旬)」。
2日間に渡るこの祭りに地域の人々は全身全霊を捧げます。
仕事を休んででも祭りに駆けつける…という男気が
今もよく見られる祭りの1つと言えます。
「あばれ祭」で登場する能登の祭りの象徴・キリコは40基近く。
これがズラリと出揃う様子は迫力満点。
特に宇出津は派手さはなく、すべて白木のものだったり、
とにかく数で勝負!それだけ祭りを愛する人が多い証拠です。
能登町観光協会理事長の山本一朗さんは
「祭りに帰ってこなかったら宇出津の男じゃない」と
小さい頃から思っていたそうで、この2日間は、
1年間まじめに働いてきた者への神様のご褒美と捉えているのです。
キリコや神輿をかつぐ男たち、
そして女性は「よばれ」と言われるご馳走作りに精を出します。
「よばれ」とは祭に親戚・友人等を自宅に招待し、ご馳走を振舞う習慣です。
祭りを楽しむ人は家族も同然。知らない人の飛び入りもアリです。
能登町の人々の優しい人柄が伝わる郷土の習慣です。
山本さんのお宅ではおばあちゃんが30人前の料理を準備していました。
このくらい作るのは当たり前なんだとか!
さて、祭りはさらに熱を帯びてきます。
日が沈んで町内を練り歩いていたキリコが港に集まってきました。
「神様の火」に例えられる松明が点けられ、
キリコと男たちをオレンジ色に染めていきます。
穏やかな海とは対照的に、熱き魂をもつ能登町の人々。
祭りとともに生きる能登の民は、
先祖から受け継いだ祭りを頑なに守り続けています。
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【リポーター】平見夕紀