5月6日(日)7:30~8:00
ふるさとに元気! シリーズ・石川のモノづくり②
『人に優しく 食品から生まれた化粧品』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
石川の元気なモノづくり企業を紹介するシリーズ2回目。
今回は食用成分から化粧品を手掛けた会社です。
◎食べられる化粧品!?
「万が一、口に入っても安全な化粧品を造りたい」
こんな想いで年間10万本のヒットとなるリップクリームを
開発したのが、ルバンシュ(能美市)。
当時、社員わずか5名という小さな会社です。
ベンチャー・研究開発型企業などが集まる「いしかわフロンティアラポ」に
本社を構えるルバンシュは、大ヒット商品を生み出す会社にしては、
意外にもこじんまりとしたたたずまいです。
ガラス越しに見える工場はわずか27坪。
作業しているのは3人だけです。
石油系防腐剤を使用している一般的な化粧品とは違い、
ルバンシュの化粧品は原料、そして防腐剤までもが
大根やワサビなどの天然素材。
口に入れても安全な代わりに、大変デリケートなので
雑菌が入ってこないよう、細心の注意が払われているのです。
さてさて、その食用天然素材ですが、例を挙げてみると…
oリップクリーム…ミカン、ニンジン、大豆、米ぬか
o保湿クリーム…最勝柿の柿ポリフェノール
oメイククレンジング…チョコレートに使われる乳化剤
化粧品以外でも食品が使われます。
こちらは食べられませんが、入浴剤につかわれているのは、
能美市の特産品のユズや、加賀野菜の金時草。
これだけ食用成分にこだわるのには、理由があるんです。
◎社長の思い
食品会社で研究員をしていた千田和弘社長は、
取引先の依頼で調べた化粧品に有害な成分があることを知り、
大きな衝撃を受けました。
口にしてはいけない、体の中に入ってしまうと何らかの危険がある…
そんな化粧品が当たり前のように使われていることに驚いた千田さんは、
食品成分で化粧品を造ったら面白いのではないか…と
25歳で今の会社を立ち上げました。
苦節10年。完成したリップクリームは通販雑誌などで根強い人気となり、
今もルバンシュの看板商品です。
営業担当の社員は1人も置かず、まさに商品の良さと口コミで
顧客を増やしていったのは、このモノづくりの精神のたまものです。
現在は正規取扱店として漢方の薬局で販売されたり、
日本酒の醸造会社からの依頼で、日本酒を使った化粧品を製造するなど、
安心・安全志向のニーズに応えるべく、日々、研究を重ねています。
人に優しい化粧品を実現させたたゆまぬ努力。
私たちのふるさとには、目を見張る企業がありますね。
いしかわ大百科
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【リポーター】平見夕紀