2008年2月2日  輪島市 門前町道下

吹雪の中を歩く中年旅人1人。
こんな日に、出会える人なんて、
いるわけないじゃないか。

一瞬の晴れ間を縫って、とぼとぼ歩く。
輪島市門前町道下(とうげ)。


急速に発達した低気圧の影響で、
輪島市の最大瞬間風速は20.2メートル。

冬型が強まって、日本海からの吹き付けが強烈。
カメラのピントが合わないほど。
もう前方が見えない。
声が録れているかどうかも不明。
これは私の罰ゲームか。
避難して、出直そう。
「雪の中を歩いてもらいたい」って、言ってたね、
ディレクター・・・

これかよ。

晴れ間を見て、再出発。
輪島の日中最高気温は1.2度。
寒い寒い。
「塚田さん、手をこすってる音が入ります」

おい、エッチディレクター。
君だけ手袋をしているのはナゼ?

忘れられない町なんだ。
能登半島地震の、取材や生中継で来たんだ。
倒壊した家屋が続いていた。
でも、被災者の方やボランティアの頑張りに、
励まされたなあ。

…また猛吹雪。ガンバロウ道下。ガンバロウ自分。
仮設住宅には、今も被災者の生活がある。
手押し車で歩いて行くおばちゃん。

以下の点が明らかになった。
・娘さんのだんなさんのお宅に行く。
・毎日のように仮設とお宅を行き来する。
・歩くスピードが速い。
  ・・・ついていくのがやっと。
おばちゃんの趣味は、編み物。
「いまも注文されとる。毛糸を探しに来たんや」
「おばちゃん、これ暖かいわ。売り物になるよ」
「あんた、似合うね。学校の先生みたいや」

趣味というレベルではない。
はるさんは腕の立つ「手芸職人」だった。
吹雪がひどくなって避難した「すみ理容室」。
「すみ、っていうのは下の名前。
  この辺り『神崎』という苗字は7軒あるし」

この道50年の大ベテラン理容師。
お客さん、ご主人も混じって賑やかな雨宿り。
暖かい。縁がつながる。
これが、道下。
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