2008年10月4日  七尾市 中島町小牧

まるで山裾に霞がかかっているようだ。
近くのおばちゃんが教えてくれた。
「紫苑(しおん)っていうんです。
  別に育ててないよ。
  勝手に咲いているんです」
コスモスも揺れている。
七尾市小牧(おまき)の道。

道が細く、すぐ誰かと出会う。
赤く熟した柿の実を見ていると、
頭に手ぬぐいを巻いた男性が。

「そりゃ食えんぞ。
  赤くなっとるのは、熟してるからじゃない」
「虫に食われて、赤くなっとるんや。
 見てみなさい」

なるほど、食われた跡がある。
虫がつくと、実が弱って、
熟したものと似た状態になることも
わたしは知らなかった。

狭い道の側の木立に
しゃがんで何かしているおばちゃん。

85歳?お元気ですね。
私はちょうどきょう、45歳になったんです。
おばちゃん、大先輩や。
はい?何を摘んでいるんですか?
地面から顔を出しているのは、ミョウガ。
本格的な栽培ではない。
ボウルに1杯くらいだけ取れる。
収穫は1日で終わってしまう。だが…

おばちゃんが嫁に来た50年ほど前から、
毎年、摘んでいる。
これも歴史。

「茹でて味噌和えか、おつゆにいれるよ。
 生でも毒じゃないよ」。

生で丸かじりすると、シャキッと歯ごたえ、
爽やかな香り、そのあとは強烈に辛い。
口の内側がしびれる。
誕生日は、違うものの方が良いなあ。

えっちD:「塚田さん、誕生日でしょ」
私    :「そうなんだよ。45歳になったよ」
えっちD:「じゃ、そば おごりますよ。誕生日そば」
私    :「ありがとう…あまり聞かないけど」

こんな奥まったところに、そば屋さん。


ご主人の夢だった、そば職人。
脱サラして悠然と店を出した。
趣味半分、好きな素材で好きなように作る。
天気や湿度に合わせ、
そば粉の扱いは毎日変える。
奥様、娘さんと一緒に切り盛り。
とても、楽しそうだ。 

「十割そば」は、そば粉100パーセント。
香りが立ち、ざくっ、もちっとした歯ごたえ。
「二八(にはち)そば」は、
二割の小麦粉が入り、つるっとした のどごし。

私の好みは『二八』だけど、
  『十割』のような男になりたいなあ」
まだ伸びるつもりでそばに舌鼓。
   
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