2017年11月27日〜12月1日 白山市釜清水町


坂本マリ子さんは、ご主人とともに、
理髪店で50年営業しています。
「実物は小さいんやね」
「テレビよりいいがいね」
ありがとうございます。

白山市釜清水の旅が始まります。

数十年使っているというバリカンです。

重く鈍く光ります。
刃が鋭くで、いつでも使えます。
職人が使い込んだ貫禄があります。


「もう弘法池に行ってきた?」
「いえ、まだ」
「あ〜行った方がいい」

釜清水に来たら、誰もが勧める
「水」があるのです 。


丸五食品さんは地元では有名なお豆腐店。
よい水と国産大豆100%で作ります。

お訪ねしたときは、作業はほぼ終了。
水の中に純白のお豆腐が沈んでいます。

「まだ未熟なもんで」と話す奥勝治さん。

この道20年で「未熟」。

「毎日同じものができない」とのこと。

出来立て切り立てを短冊のようにして、
そのまま頂きました。

まるで「豆腐の生け作り」。
水と豆の純粋な味です。
こくが深いけれど、しつこさが一切ないです。


弘法池の手前に、野菜の無人販売所。

「弘法池の番人」と言われる鈴木さんの
姪御さんが作った野菜が並びます。
老後資金を叩いて建てたそうです。

大きなニンニク4玉で100円です。

店番をしている「怪獣ブースカ」の貯金箱に
代金を入れると、「ブースカ語」で答えます。

ただし、何と言っているのか、
私には分かりませんでした。


弘法池は、直径75センチですが、
深さが1m90センチという、
珍しい「甌穴湧水(おうけつゆうすい)」です。

弘法大師が錫杖を突き立てたところに
涌いたという言い伝えがあります。
その弘法池に詳しく、
丁寧なガイドをしてくれるのが、
ご近所の鈴木さんです。

60年も前の雪や雨が地下水脈をたどって
湧いてきたというお話でした。
そこから先は水素同位体の話が出てきて、
私には難しかったです。
この季節の鳥越の山は、鮮やかです。
谷を挟んだ向こうの山に日が当たると、
息をのむような美しさです。

錦絵になって屏風のように
左右に広がります。


タイヤ交換をしていた村田喜久治さんは、
親切でお話がお上手。

話題がどんどん広がります。
車庫の奥には大量の野菜がありました。
ご主人は青果店の競りに出ていたことがあり、
野菜に詳しいのです。

さらに土木関係のお仕事から、
鉄工所の職人、
さらにアルミサッシ屋さんと、
さまざまなお仕事に携わってきました。

お宅の裏が白山神社で、その境内にある、
真っ直ぐなスギの木が、子どもの頃から、
村田さんの胸にありました。

「いつもこの木を眺めて育ってきた」
スギの木は、ふるさとの一部です。
俳句仲間で箱根に吟行会に行きました。

「蔦紅葉いま宿願の箱根越ゆ」
(塚田訳)まさに今箱根の峠を越え
雄大な景色が見える。手前の蔦紅葉は、
我が家の裏にもあり幼い頃から馴染みだ。
夢が叶った。長い道のりだった。

秋が深まる、釜清水の旅路でした。
 

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