7月14日(水)16:52〜テレ金ちゃん内(18時台)
『ブナ原生林とわき水探訪』
いよいよ始まりました。白山キッズマイスターのチャレンジ教室!
第1回はブナの原生林を訪ねます。
◎トチとブナの実のお味は?
白山の登山口に続く市ノ瀬。ここから標高2,399mの別山へ向かうルート、
「市ノ瀬・別山道」の途中に、ブナの原生林が広がっています。
ここは通称「チブリ尾根」と呼ばれる場所で、
約2時間ほどの登山で手つかずの原生林に行けることもあって、
実は人気のコースになっています。
この日はあいにくの雨でしたが、森に入るとあることに気がつきます。
「雨が弱い」…子どもたちが何気に口にしたセリフ。
生い茂る葉っぱが傘の代わりになって、嫌な雨を感じさせません。
チブリ尾根はブナだけではなく、カツラの巨樹や、
トチ、ミズナラといった実のなる木があります。
講師の谷野喜代子さんが取り出したのは「トチの実」。
小さく切ったかけらを口に入れると…
!?…に、苦い…
そう、トチは強烈なアクを持っているので、そのままでは
食べられる代物ではありません。
昔の人は丁寧なアク抜きをして食べられるようにしたんです。
お次は「ブナの実」。トチが苦かったので恐る恐る口に入れますが、
こちらは香ばしくてナッツのような味です。
(子どもたちは味がしないと言ってましたが…)
ブナの実は森に棲む動物たちにとって大切なご馳走。
体力が続かないので、一般的に7年から10年に一度、
大豊作になるというブナですが、白山ろくでは2005年に豊作を迎えました。
次に豊作となるのは子どもたちが高校生になるころでしょうか?
◎ブナの森の大切な役割
ブナ林を歩いているといろんな発見があります。
大きな木に寄生して、新芽を出している植物や、
倒れて朽ちそうになったブナの木に小さな芽がたくさん顔を出しています。
講師の瀧澤ひろ子さんいわく、「森の保育園」。
倒木は発芽した芽や苔などが生えて、フカフカのベッドみたいです。
同じく、講師のかつ先生こと尾張勝也さんが、
「人間と違って、木は死んでも次の世代のために役立っている」と
教えてくれました。
そして、ブナの森はもう1つ、大切な役割があります。
ブナは保水力に優れ、「天然のダム」とも言われています。
そこで傘とタオルを使って実験。
1つの傘にはタオルをかぶせてあります。もう1つは何もしてありません。
ここにジョウロで雨を降らせていきます。すると…
何もない傘は水がすぐに流れていきますが、
タオルをしてあるほうは水を溜め込んで、しばらくしてから
ようやく水がチョロチョロと染み出してきました。
これが「天然のダム」というわけですね。
そして、そのチョロチョロ流れているのが、いわゆるわき水です。
チブリ尾根には2つの水場があって、
そのまま飲むことが出来る天然水が湧き出しているのです。
自然の恵みを一口飲んで、笑顔がはじける子どもたち。
この醍醐味を味わってほしかったので、
最初のチャレンジ教室はこの場所にしたかったんです。
繰り返される自然の営みと、森の役割。
子どもたちは合わせて発見する喜びも感じてくれたようです。
◆講師(敬称略)
谷野喜代子(いしかわ自然学校)、瀧澤ひろ子(いしかわ自然学校)、
尾張勝也(白山ろく少年自然の家)、藤川恭子(白山里)
白山キッズマイスター
〜ふるさとの命をつなぐ〜白山キッズマイスター育成事業〜
【出演】かつ先生(白山ろく少年自然の家・尾張勝也)