ページ内のクイックリンク
  1. このページの本文へ
  2. サイト全体メニューへ
  3. サイト情報メニューへ
  4. お問い合わせへ
  5. サイトマップへ
HOME  >  番組案内  >  いしかわ大百科  >  2009年度  >  『能登の奇祭 ~祈りの音(ね)~』

番組案内

いしかわ大百科

2009年度

 いしかわ大百科

1月24日(日)7:30~8:00
シリーズ・ふるさとの響き②
『能登の奇祭 ~祈りの音(ね)~』

写真
能登は伝統文化の宝庫
写真
先人から受け継がれた祭り・神事を訪ねます

◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
能登の祭りといえば、夏の勇壮なキリコ祭りを思い浮かべる方も
多いと思いますが、厳しい冬の間に行われる
古式ゆかしい祭りや神事も能登ならではです。

◎田の神様への感謝
去年、奥能登の農耕儀礼として受け継がれている「あえのこと」が、
ユネスコの無形文化財に登録されました。
「あえのこと」は田んぼの神様を自宅に招いて、おもてなしをし、
再び田んぼへお送りして、農作業が始まるというものです。

現在、古式ゆかしい形で継承しているのは奥能登で10軒ほど。
このうち輪島市の千枚田で米づくりをしている川口家を訪ねました。

12月5日、ご主人が袴姿で千枚田へと向かいます。
目が不自由だという田の神様を丁寧に道案内して、自宅まで招きいれます。
(もちろん、田の神様の姿自体は見えていません)

田の神様はご夫婦ということで、まず2つのお茶が出されます。
一息ついていただいている間にご主人は湯加減を確かめに…
そうです。お風呂にも入っていただくわけですね。

お風呂の後は座敷で御膳によるおもてなしです。
御膳にはお煮しめや味噌汁、地物の魚の刺身、
そしてご飯の代わりにこの辺りの集落ではおはぎが出されます。

ユネスコに登録されたことについて川口さんは
少々戸惑いがあるものの、「気持ちが入ってないと指定されない」という
思いもあって、とても誇りに感じている様子です。
ただ、田んぼをしているからこそ、続けられる神事であって、
田んぼへの感謝、米への感謝の気持ちがそうさせると話してくれました。

インタビュー後、お母さんに「もったいないから」と
田の神様に出された御膳をそのままいただいてしまいました!

ハチメ(メバル)の刺身は身がしまっていて、
お煮しめではゴボウがピリ辛の味付けと、どれもこれもおいしい!
名物となっているおはぎは通常の3個分はありそうなほど大きくて、
かなりの食べ応えでしたが、2つもいただいてしまいました。

実際にじっくりと見るのは初めてでしたが、逆に新鮮で、
能登の奥ゆかしさを感じさせてくれる神事でした。

◎言うこと聞くか~
年が明けて1月6日。この日は輪島市門前町皆月地区で
「アマメハギ」が行われる日です。

「アマメ」とは囲炉裏やこたつにあたってばかりいると出来るタコのことで、
怠け者を戒めるという意味合いで行われる地域ぐるみのしつけ
考えていいでしょう。

しかし、過疎化と少子化で集落に小さな子どもが激減。
しつけという意味合いでの行事としては継続が困難とも言われています。

とはいえ、家々を回る面様は、神棚でお祓いもしていくことから、
子どもがいない家でもありがたい存在であることは間違いありません。
続けてほしいという声を受けて、青年会のメンバーが一肌脱いで、
いや、面を被って、頑張っているわけです。

その面様が小さい子どものいる家にやってきました。
神棚でお祓いを済ませると、急に大きな声で、「言うこと聞くか~」
子どもたちに迫っていきます。

それまで遊んでいた子どもたちも天狗やサルといった面に驚き、
大声で泣き叫んでいます。
「言うこと聞きます」という男の子の声に、家のご主人も
「しばらく効き目あるね」と笑みがこぼれます。

また青年会のメンバーは、自分が小さかった頃は
「1月6日のカレンダーを見ただけで怖かった」と話してくれました。

他人の家の子どものしつけには無関心になった今だからこそ、
地域の絆の深さや大切なものを受け継いでいく精神を感じました。

千枚田で田の神様をお迎え
神様はお風呂にも入ります
自分の家で手がけたご馳走で 田の神様をもてなす川口さん
千枚田産もち米で作ったおはぎ どんぶりサイズの椀で3個入り
子どものしつけを祈るアマメハギ
子どもたちにとって強烈な体験に…
本来はありがたい厄除けの使者
神事への思いを語る青年会メンバー
写真
能登の伝統文化に触れました
写真
「面様年頭」も新年の大切な行事

いしかわ大百科

【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀

このページのトップへ