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いしかわ大百科

2009年度

 いしかわ大百科

3月7日(日)7:30~8:00
シリーズ・ふるさとの響き④
『春を呼ぶ加賀の神事』

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春を呼ぶ神事を訪ねます
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今回は青竹が主役です

◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
今回は加賀市で行われる「御願神事(ごんがんしんじ)」。
太い青竹がパーンと小気味よく割れる響きに注目します。

◎伝統を重んじる風土
毎年2月10日に加賀市大聖寺の菅生石部神社で行われる
「御願神事」(県指定無形民俗文化財)

白装束の若衆が、長さ3mにもなろうかという青々とした竹
境内や拝殿に置かれた石に叩きつけることから、
「竹割り祭り」とも呼ばれています。

始まりは諸説ありますが、武芸を忘れないために竹を割るという説や、
地元で悪さを繰り返す大蛇をこらしめるために生まれた神事とも
言われています。

2月。祭りの準備が始まると、神社周辺では大蛇を起こしてはいけないと、
一切の鳴り物が禁止されます。
地元の人たちが形、太さなどを吟味した青竹を1本1本切り出し、
また大蛇に見立てた大縄や「あずまや」と呼ばれるかがり火に至るまで、
すべて自分たちで手がけていきます。

ちなみにこのかがり火は、代々、辰川家が火付け役を担っていて、
火打石で点火されるといよいよ祭りが始まるという…
年配から若衆までが、祭り当日を迎えるまで
祭りのために汗を流します。

少子高齢化や古き良き伝統がないがしろにされている時代に、
こうした住民たちの深い絆はうらやましくもあります。

◎春を呼ぶ響き
さて、祭り当日。
鳥居の前には青竹を抱えて、今か今かと出番を待つ若衆が勢ぞろい。
歴史を重ねて大きくくぼんだ版木が打ち鳴らされると門が開き、
若衆たちが一斉に境内になだれ込みます。

青竹を高々と上げては振り下ろし、
パーンという小気味の良い音とともに、青竹を割っていきます。
この割る所作が若衆の腕の見せ所。
上手な人はまるで何等分かに分けたように、キレイに割っていくんです。

さらに拝殿では、「悪疫退散」と刻まれた丸い石に
青竹を打ち当てていきます。その猛烈な勢いと響きに、
これなら悪疫も逃げていくな~と納得してしまいます。

クライマックスは大蛇に見立てた大縄を引き回し、
近くの大聖寺川へと投げ入れます。
ことしも無事に大役を終えた若衆たちは、
寒さをもろともせず、誇らしげな表情で引き上げていきました。

割られた青竹は見学に来た人が競って持ち帰り、
五穀豊穣や家内安全、魔除けといった縁起物にします。
また箸にして使うと、
虫歯や病気の予防に効果があると言い伝えられています。

大聖寺で神事にちなんだちらし寿しを作っている小橋さん親子は、
「この祭りでもうすぐ春だと感じる。ふるさとの大事な祭りを
 このままの形で残していかないと…」
と語ってくれました。

青竹の箸を作って、また1年、健康に過ごせることを祈って…
ことしももうすぐ春がやってきます。

歴史と伝統のある菅生石部神社
大蛇に見立て大縄を編んでいく
いよいよ祭りが始まる!
キレイに割れると気持ちいい
拝殿の中は大音響に包まれる
退治した大蛇を大聖寺川へ
小橋さんが作る「御願寿し」
写真
若衆の熱気が境内に満ち溢れる
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割れた青竹で箸を作ります

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【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀

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