12月12日(日)7:30~8:00
シリーズ・いしかわの礎③
『水中の楽園 のとじま水族館』
◆◆◆ふるさとの歴史を探る30分◆◆◆
昭和57年の能登島大橋完成・開通に伴い、大きく様変わりした能登島。
そのシンボルとも言えるのが、「のとじま水族館」です。
◎世界最大の新しい仲間
体長4.8m、重さ800kg。この夏、水族館にやってきたのが、
世界最大の魚類・ジンベエザメです。
悠々と泳ぐその姿は、ため息がもれるほど勇壮で、
早くも水族館の人気者になっています。
食事の時間では、体に似合わずオキアミやキビナゴなどの
細かいものを水と一緒に吸い込み、こしとって食べるのですが、
大きな口は迫力満点。ほぼ垂直に立つようにして食べるので、
その姿を見られるのもなかなか貴重です。
水族館のリニューアル計画第2弾(第1弾は「イルカたちの楽園」)として
誕生したのが、「ジンベエザメ館・青の世界」。
ジンベイザメの展示は国内で4番目、日本海側では唯一となります。
それは夏のことでした。
湾内の定置網に入ってきたジンベエザメを慎重に慎重に、
水槽へと招きいれ、クレーンで吊り上げて、トラックで大移動!
水族館ではさらに大きいクレーンで屋根から新居に移るという、
何とも大がかりな引越しとなりました。
この「青の世界」では、水槽も工夫されていて、
ジンベエザメをいろんな角度から見ることができます。
池口副館長も、「ジンベエの息吹を感じてほしい」と話してくれました。
◎のとじま水族館の使命とは?
さて水族館には、「アザラシ万華鏡」で愛嬌いっぱいのゴマフアザラシや、
愛らしい表情のコツメカワウソにラッコ、神秘的なクラゲたちと、
いろんな生きものが出迎えてくれます。
イルカショーでお馴染み、カマイルカのラナンは、
壊死が進んで尾びれがほとんどありません。
14年前、傷ついた状態で定置網にかかり、保護されました。
尾びれがなければ大好きなジャンプも不可能ということで、
飼育係のスタッフがなんと4年もの歳月をかけて、
人工の尾びれを装着させました。
今ではうれしそうにプールを泳ぎ回るラナン。
その姿にお客さんも励まされますね。
ただ、こうした人気者だけではなく、館内では
500種4万点にもなる多種多様な生き物たちを見ることができます。
国内でも稀なこの種類の多さは、実は能登半島という土地柄がポイント。
寒流と暖流がぶつかり合い、双方の海流に乗って、
様々な海の生物がやってくる、まさに楽園なのです。
水族館では能登半島の優れた自然を守りながら、
地域の人たちとも積極的に交流し、
この豊かな海に生きる生物たちと向き合っています。
飼育員たちは毎日のように港へ出かけ、
網に入ってきた生き物たちを譲り受けて展示の充実を図ったり、
生き物たちに触れられる工夫や水族館の裏側を探訪して、
いろんな生き物たちの生態を学ぶ教室を開くなど精力的。
能登の自然そのものを展示する…
のとじま水族館はただ生きものたちを観賞するのではなく、
ふるさとの自然の素晴らしさまで感じさせる場所なのです。
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀