4月15日(日)7:30~8:00
ふるさとに元気! シリーズ・石川のモノづくり①
『まわるまわる 寿司コンベア』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
今回から新シリーズです。テーマは「モノづくり」。
石川県には全国シェア日本一や独自の技術で一目置かれている企業が
たくさんあります。このシリーズでは、石川ならではの「モノづくり」に着目し、
働く人たちの元気をお届けします!
◎最新の寿司コンベア
その手軽さで外食産業をリードしてきた回転寿司。
おいしそうなお寿司をぐるぐると回している寿司コンベアの製造で
日本の60%以上のシェアを誇っているのが石野製作所(金沢市)です。
白山市にある工場を訪ねてみると実際の間取りに合わせて
コンベアの製造が行われていました。
お店によって寸法や仕様が変わるため、すべてオーダーメイド。
同じものはありません。
「お客さんの要望に1つでも多く応えるためにやっていく姿勢が大事」
と語る小田初義工場長が案内してくれたのは、モデルルーム。
ここには最新のコンベア機械などが展示されています。
さっそうと走り抜ける「特急レーン」は、新幹線や船、モノレールのほか、
御所車のような高級感のあるものまで様々。
注文品を個別に運んでくれる装置です。
取材班が驚いたのが「厨房管理システム」。
まな板の上に皿とネタをおくと、センサーで読み取って登録。
レーンを回っているうちにお客さんが皿を取ると、
減った数がわかるという仕組みです。
これなら今どのネタが足りないとか、わざわざ数えなくてもわかりますね。
ほかにも、一定の時間を過ぎた寿司を排出する「鮮度管理システム」、
レーンの段差をなくし、磁石で動かす「フラットパネルコンベア」、
そして極めつけはことし2月に発表されたばかりの最新版レーン。
新幹線がLEDの電飾と音響効果をつけて駆け抜けてくるんです。
いやぁ~楽しいですね。
実際に回転寿司店に足を運ぶと、子どもたちは楽しそう!
おいしいだけではなく、楽しいも届ける新たな食文化のスタイル。
回転寿司はまだまだ進化しそうですね。
◎モノづくりの精神
その石野製作所は元々バネなどの販売代理店からスタートし、
自らも製造を始めると、いろんなメーカーから機械の部品や装置の一部の
製造を受注するようになり、徐々にそのノウハウを吸収していきました。
最初のヒット商品となったのは、農作業の重労働を和らげるために
初代社長・石野邑一が発案した「イシノ式麻袋開口器」。
通常2人でしなくてはいけない作業が1人でできるようになり、
全国で18万台のヒットとなります。
その後、食品加工機械を扱うようになり、昭和46年。
運命の出会いを迎えます。
回転寿司が世に誕生したのは昭和33年のこと。
大阪の白石嘉明が発明し、お店を立ち上げたのが始まりです。
石川県の第1号店が登場したのは昭和44年。
このお店から、お茶を提供する機会が作れないかと依頼されたのが、
石野製作所と寿司コンベアの出会いでした。
給茶装置が成功すると、今度はコンベアとセットで作ってほしいと依頼され、
石野製作所オリジナルの寿司コンベアが完成!
この「給茶装置付寿司コンベア機」と「イシノ式麻袋開口器」は、
去年、「いしかわモノづくり産業遺産」に登録されています。
こうして業界のスタンダードとなる寿司コンベアを手掛けるようになった
石野製作所では、世界20か国・5000店舗に納入。
より使いやすく、より機能的にと、今も開発が続きます。
お客さんとお店の人のために何ができるか…を常に考え、
次々と新しい装置を開発していく姿は、モノづくりの国・日本の象徴。
そんな企業が石川県にあるのは誇らしいですね。
いしかわ大百科
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【リポーター】平見夕紀