10月7日(日)7:30~8:00
ふるさとに元気!シリーズ・石川のモノづくり⑨
『きょうも走る! 働く車』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
石川県内のモノづくり企業を紹介するシリーズの最終回は、
街のあちこちで見かける移動販売車を製造・販売する会社です。
◎夢をカタチに
たこ焼きにクレープ・・・美味しそうな香りとともに出来立てのグルメを
販売している、大きな看板さながらの移動販売車。
ホームセンターや本屋などの駐車場でよく見かける風景ですよね。
この移動販売車をすべてオーダーメイドで製造・販売しているのが
ZECC(ゼック・野々市市)です。
ZECCはもともとキャンピング・カーを扱う会社で知られていましたが、
「金持ちの道楽品」というイメージを変えたいと、
軽自動車をベースにしたキャンピング・カーを作り上げます。
その手軽さから人気は良好、「石川ブランド認定製品」として
表彰されたのです。
バブル崩壊後は販売不振が続き、厳しいリストラも経験。
その苦境を救ったのが、キャンピング・カー製造のノウハウを活かした
移動販売車だったのです。
たこ焼き&たい焼きを販売するMOGUMOGUは、
もともと所有していた車を販売車に改造してもらいました。
出店場所によって、後ろでも横からでも接客できるように工夫し、
長時間、車内にいてもくつろげるよう、
ところどころに木目調のデザインに仕上げてもらったそうです。
一方、のっちゃんクレープは接客しやすいよう、
カウンターを下げるなど何度も綿密な打ち合わせをして、
1から作り上げた移動販売車。
まさに夢を叶えてくれた働く車なのです。
ZECCの永井社長は、どんなにコンパクトな移動販売車でも
お客様にとってはお店になるので、成功してもらいたいと願っています。
◎時代を見据え・・・
いつもの場所へ移動して、お店感覚で商売する移動販売車があれば、
1軒々々、訪ねていく移動販売車もあります。
保険事務所の移動販売車は、まるで走る事務所。
中がしっかりした作りなので顧客もビックリするんだとか。
また、一昔前の行商のごとく、商品を振り売りしていくものなど、
ZECCが手掛ける移動販売車はさまざま。
そんな中、改めて注目を集めたのがキャンピング・カーでした。
東日本大震災の直後、被災地に貸出され、人助けに役立ったのです。
観光バスを改造して作られた9人乗りのキャンピング・カーを拝見すると、
まず、広々とした車内のくつろげる空間に驚きます。
永井社長自らも被災地でのボランティアに出向き、
人の役に立つことの喜びを大いに感じたそうです。
現在は、食品の放射能を測定するための車両など、
時代のニーズに合ったものにもチャレンジしています。
地方から発信していけるものは何なのか・・・
ただ走るだけではない、+アルファを乗せた働く車が
きょうも街を駆け抜けます。
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀