2月17日(日)7:00~7:30
シリーズ・いしかわ手仕事の味④
『厳冬のカーテン ~かきもち~』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
赤・青・黄…厳しい冬にほのかな温かさを感じさせる淡い彩り。この時期、石川の家庭などで盛んに作られてきた、かきもちを干す風景です。まるでカーテンのように1枚々々編んで吊り下げられたかきもちは石川の冬の風物詩。上質なもち米と清らかな水に恵まれた、米どころならではの風土を現す食文化でもあります。特に寒の水を使って仕込んだかきもちは保存食としても重宝されました。
昔ながらの味を受け継ぐ白山邦夫さん(志賀町)のお宅では、今も各地からたくさんの便りが届きます。「余命いくばくとない母にたべさせてあげたい」、「疎開で能登に来て、初めて食べた味が忘れられない…」。調味料は塩と砂糖だけの素朴な味が、遠い記憶を呼び起こさせるのでしょうか。懐かしい味を求める人たちに、白山さんはとびきりの愛情を込めて仕上げていきます。母から子、子から孫へと伝えたい、ふるさとの味。そこには作る人たちの手の温もりまで込められているようです。
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀