7月13日(日)7:00~7:30
シリーズ・ふるさとをつなぐ⑤
『大野醤油と麹のチカラ ~発酵食今昔~』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
能登の「こんか漬け」や「いしる」、金沢の「かぶら寿司」、
加賀の「ふぐの卵巣の糠漬け」などなど、石川には様々な発酵食があります。
今回は発酵食文化の薫り高い、金沢の今と昔をひもときます。
◎金沢の醤油文化
金沢市の大野地区で生まれ育った大野醤油は加賀料理の味を支えてきました。
加賀藩3代藩主・前田利常の命を受け、醤油作りを学んだ直江屋伊兵衛は、
北前船の寄港先で良質な大豆を買い付け、
白山の伏流水で醤油づくりを始めました。
麹の甘みが生かされた醤油は全国でも評判を呼び、
大野地区は5大生産地と呼ばれるようになります。
これは当時、金沢が全国でも4番目の人口を誇る大都市であったことも
大きく関係しています。またその味は、麹を取り入れることで
甘味と旨味を出し、煮物などでも砂糖要らずという深みのある味を実現しました。
醤油作りの老舗・直源醤油では、麹の良しあしが味の決め手と話します。
現在は組合の向上で生醤油までを生産し、各、蔵々で独自に仕上げます。
藩政時代から受け継がれてきた金沢の調味料はまさに代表的な発酵食なのです。
◎麹のチカラ
数年前の塩麹ブームを機に注目された「糀」。
その糀を使った料理教室に主婦たちが集まってきています。
ヤマト味噌醤油を舞台に結成されたのが「麹部」。
彼女たちは糀を一過性のブームで終わらせたくないと話します。
さらに、糀の知識を高めようという声が高まり、発酵食大学が開講しました。
県内の発酵食を手掛ける企業の代表者を講師に招き、
調理の際の上手な使い方などを学びます。
といっても、一昔前の主婦には当たり前のことだったりもします。
それだけ金沢をはじめ、石川は発酵食文化が根付いているとも言えます。
その古き伝統を今の若い世代の主婦の方々が、
糀の魅力を再発見し、心と体を健康にというスローガンのもと
熱心に受講しているというわけですね。
ことしから東京でも開かれるようになった発酵食大学。
石川の食文化のアイデンティティが全国から注目を集めています。
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【リポーター】平見夕紀