取材のきっかけをもたらしたのは、私、ディレクター・Iの母です。母の友人が経営するお店に、伸乃介くんの初めての個展の案内はがきが何気なく置かれていたのです。そこに描かれていたのは、色々な表情を持ったかわいらしい動物たち。母は、かわいらしい動物たちの絵に心を打たれ、そのはがきを家に持ち帰りました。 その夜、母は「これ、見て!」と私にそのはがきを渡しました。その絵は、何かほっとさせてくれる温かい絵。描いたのは、障害のある高校生ということを聞いて驚きました。そして、これを描いた人を取材したいと思いました。2006年10月、母親伝いで連絡先を聞き、母親の聖子さんに連絡を取ったのが始まりでした。(ディレクター・I)
伸乃介くんが、人の似顔絵を描く時はいつも動物で描きます。 叱る時は容赦ないお母さん・聖子さんは「火を噴くドラゴン」。 この2人の親子の絆の物語という意味で 2007年、そして2009年にNNNドキュメントで放送した際、テレビ金沢では、伸乃介さんと母・聖子さんの物語を「しんのすけとドラゴン」「ドラゴンとしんのすけ」というタイトルをつけました。
■『ピンマイク紛失事件』
伸乃介くんの大阪での初めての似顔絵会があった日のことです。
この日も伸乃介くんの言葉を漏らすまいと、ピンマイクをつけさせてもらいました。いつも、伸乃介くんにつける時は、絵を描く邪魔にならないよう、ガムテープでマイクを包んで、服に固定しています。
似顔絵会も中盤…伸乃介くんは、トイレ休憩に―。
しばらくして伸乃介くんが戻ってきました。よく見ると、マイクを固定していたガムテープが外れ、マイクのコードを尻尾のように引きずって帰ってきたのです。マイクは無事。でも、そのマイクにつける小さな風帽(マイクを覆うカバー)がなくなっていたのです!実は、この風帽。小さいけれど、高価なんです。
あわてて、聖子さんとカメラマンがトイレに駆け込みましたが…、見当たらず。伸乃介くんの通った道をたどりましたが…、見当たらず。「しょうがない…。」とあきらめましたが、聖子さんはとても申し訳なさそう。
一方、伸乃介くんはというと、楽しそうに絵の続きを書いていました。
―似顔絵会は大成功。
思っていた以上の反響に「いい取材ができた」と私たちも大満足。ピンマイクのことはすっかり忘れて、伸乃介くんたちと一緒に、金沢に戻りました。
その晩、聖子さんから1通のメールが―。ピンマイクが見つかったというのです。
どこだと思います―???
なんと、しんのすけくんの「パンツの中」でした。「パンツにくっついていた」そう。
後日、無事に小さな風帽は戻ってきました。私たちもひと安心。その風帽は今もテレビ金沢の取材で活躍しています。
2006年10月~ | ニュースを中心に多数 |
2013年8月 | 24時間テレビ 東北の被災地・岩手県陸前高田市訪問 |
2007年5月 | NNNドキュメント07「しんのすけとドラゴン~自閉症の天才イラストレーター~」 |
2007年7月 | NTV系「ニュースリアルタイム」内 特集企画 |
2008年5月 | 「ドラゴンとしんのすけ~母が子にのこす明日~」 (石川県内のみ放送) |
2009年5月 | NNNドキュメント09 「ドラゴンとしんのすけ~母が子にのこす明日~」 |
2009年6月 | NTV系「ニュースリアルタイム」内 特集企画 |