2024.10.14 放送
シリーズ・時代に挑んだ偉人たち③『ポンプ革命~畠山一清~』

シリーズ・時代に挑んだ偉人たち③『ポンプ革命~畠山一清~』
今あるポンプの理論を考えた工学博士・井口在屋(いのくち・ありや)と形にした畠山一清(はたけやま・いっせい)。「ゐのくち式渦巻ポンプ」はそれまで海外製が主流だったポンプを大きく上回る性能を誇り、関東大震災(1923年)でもわずか1日班で水道を復旧させるなど世界に称賛されました。2人が創設した荏原製作所は現在も多種多様なポンプを世に送り出しています。
100年の歴史をつないできたポンプは石川県内でも「のとじま水族館」や「金沢21世紀美術館」といった公共施設などで活躍しています。今年1月の能登半島地震では能登の断水が住民を苦しめましたが、原因は配管の破損によるものでポンプは無傷でした。生きるために必要な水を扱う高性能なポンプは、苦難を乗り越えた一清たちの「熱と誠」のたまものです。
畠山一清は七尾城に居城したノト畠山家の血筋。世が世ならお殿様です。中世の七尾は畠山文化により、城下町が栄え、腕の立つ様々な職人を輩出したり文化交流も盛んに行われてきました。1934年(昭和9)に七尾城址が国指定史跡になったこともあり、一清は第1回の「七尾城まつり」に出向き、以後何度も足を運んでいます。自らのご先祖様がもたらした文化に親しみ、その歴史を今の時代へと橋渡ししてきました。
暮らしを豊かにするポンプに革命を起こし、ふるさとへの愛着もあった一清に迫ります。

リポート・平見アナ

畠山一清が形にした「ゐのくち式渦巻ポンプ」

のとじま水族館を訪ねて

被災した当時を振り返る飼育員

地震に耐えた浄水場のポンプ

石川県には消防車を作る会社がある

畠山一清の揮毫による七尾城址碑

一清が伝えた畠山文化を偲ぶ