いしかわ大百科
2024.11.04 放送

シリーズ・時代に挑んだ偉人たち④『読書のススメ~中田邦造~』

シリーズ・時代に挑んだ偉人たち④『読書のススメ~中田邦造~』
今や県内外から人気の図書館として知られる石川県立図書館。実は、昭和初期、石川県立図書館から始まった「読書運動」が全国から注目を集めました。読書運動を率いたのが第四代館長・中田邦造です。数々の読書運動の中でも、特に中田が強い使命を以て力を注いだのが「読書学級」。
読書がまだ否定的だった時代、中田は町や村の青年たちに3年間、読書研究の場を持たせ、自らも読書学級に出向き熱心に指導や助言を行いました。「読書学級」「青少年文庫」は全国に広まっていきました。
そんな中田はその後、東京帝国大学図書館司書官を経て、昭和19年東京都立日比谷図書館の館長に。戦争がますます激化する中、本の疎開に着手します。トラック、大八車、中学生もリュックで背負い人力で運んだその数はおよそ40万冊。
日比谷図書館も空襲で約20万冊を失いましたが、江戸以降の東京を伝える錦絵や古地図、後に国の重要文化財に指定される資料などが被災を逃れ約24万冊が現在も都立中央図書館の特別文庫室に保管されています。
読書の必要性と図書館の在り方を説き40万冊もの本を疎開させた「読書運動の父」中田邦造の人生とは・・・

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吹き抜けの天井が美しい石川県立図書館

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読書運動の父・中田邦造

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好きな本を自由に選べる幸せ

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1947年から今も続く寸心読書会

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人力で40万冊を疎開させた

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石川県立図書館の蔵書は約110万冊