雨の日にぴったりの看板を発見。傘のイラスト付き、「傘美容室」。店主の名字が「傘」さん、でしょうか。雨に降られて歩く、大聖寺中町の旅。

加賀市大聖寺中町・魚町
「屋根に人が4つ、プラスでうける」文字の縁起の良さで店名にしました。名字は「金澤」さんですが、奥様の旧姓「酒谷」も店名の由来に。
朝から夜まで店に立ってきた和美さん。息子の運動会も参観日も、旦那さまに行ってもらいました。息子の心さんも今は立派な美容師さん。
和美さんに聞いて訪ねた「深田紙店」。山の文学者・深田久弥の生家です。紙・印刷の商売はいまも続けています。「久弥さんは大伯父です」と、卓弥さん。
昭和9年に大火事があって町が焼け、鉄製の断裁機だけが焼け残りました。今は紙店としてコピー用紙も扱います。予約すれば生家の2階の見学も可能。
「計量できるものに大したものはない」深田久弥先生の言葉のタペストリー。人生を最後まで全力で生きた人でした。生家の2階はお洒落なギャラリー。
窓から見える白山を久弥は愛しました。「一族の方々も、登山が好きですか」「多くの人によく聞かれるのですが、誰も登りません。山よりも海好き」
小山芳月堂のゴールドキウイ大福。楊枝がすっと通る柔らかさにびっくり。果実丸ごと1個の酸味と甘み。後半に現れる求肥の柔らかな甘み。
「五代目おはぎ」を考案した小山祥太さん。地元の食材を生かす独特のアイデアで、「加賀」「能登」「金沢」を表現しました。小さくても手を抜かない哲学です。
大聖寺中町の隣、魚町で発見。古民家再生カフェ、「FUZON」さん。以前に誉が個人的に来たお店です。手前の土間はペット連れOKです。
店の奥には木地挽きの工房が。山中漆器の木地師の技の見学可能。店内の器にも漆器を使うなど、地域の伝統工芸を店で活かします。
挽物で使う轆轤(ろくろ)です。足でレバーを動かしてベルトを移動、回転の方向を変えています。スケルトンで、仕組みが分かりやすく。
コーヒーの香ばしさと、木の匂い。「ここは、パラダイスですね」新旧が出会う場所、縁が広がる場所。大聖寺中町・魚町の旅でした。