明るい音楽に引き寄せられ、住宅街へ。移動販売、「ヤマキシ」のライトバン。店主はアイドルのようなさくらさん。雪が残る、大聖寺瀬越町の旅です。
加賀市大聖寺瀬越町
「1週間に2回、このお店来るんや。この辺、お店が一軒もないし」生鮮食品やお惣菜など一通りそろう。小さいけれど、頼りになるスーパー。
「いつも来てくれてありがとう、と言われるのがうれしいです」家で採れた野菜を差し入れする客も。店と客の枠を超えたお付き合いです。
升山政幸さんのご趣味は、釣り。ガレージには30本以上の竿が。船釣りで、タイを狙うそうです。82センチの大物を釣り上げたことも。
愛犬ラッキーが、おこぼれを食べます。味が分かるようでこだわりがあり、「古い魚だったら食べん」とのこと。巨大なタイをなめる贅沢な場面も。
川沿いに、長い塀が延々と続きます。升山さんから教えてもらいました。「北前船の船主の屋敷があります」と。角を曲がって、なお長屋が続きます。
見上げるほど高い塀と、「忍び返し」。大家宏之さんは船主の家の七代目。小樽や大阪にも屋敷や倉庫がありました。いまのお住まいは、かつての廊下の一角。
国道305号沿いに、並び立つ看板。おにぎりと「かまど」のイラストです。瀬越町の「銀のめし」は有名店。幾種類ものアレンジおむすびの店です。
たかがおむすびと思っていたら、32種類のメニューにびっくり。うめ、昆布、おかか…待てよ。あれ何?甘口味噌としょうゆの間、「まちかね」。
「油分が多いので、すごく火力が強い」それが乾燥松葉、別名「こっさ」です。裏山で採取し、ご飯を炊く燃料にします。2升のお米が13分で炊けるそうです。
「おむすび屋になればいいのでは」父・滋さんが「こっさ飯」を上手に炊き、繊維工場の経営からの大転身。19年前の大きな決断でした。
ご飯を蒸らす間に「まちかね」の話。桶の底の部分に、おからと糀を淹れます。その上に味噌を仕込み、食べ終わるころ、おからと糀は「まちかね」に変身します。
松中祥子さんとお母さま・道子さん。「おむすびは握ってはいけないのです。ほわッと形をまとめるのです」炊きあがったご飯を、ほわっと握ります。
「まちかね」を注文してみました。おむすびを鉄板で表裏を軽く焼き、「まちかね」を塗り、バーナーで炙る!一気に香ばしさが広がります。
焦がし味噌の風味がおむすびに溶け、香ばしさも一緒にほおばったよう。出汁が効いたような味わい深い塩味。口の中ですぐにほぐれる柔らかさ。
「油揚げご飯に炒めたコシアブラを和えるとめっちゃおいしい」愛のあるアイデアメニュー、続々と。温まったなあ。瀬越町の旅路でした。




