11月21日(日)7:30~8:00
シリーズ・いしかわの礎②
『能登の悲願 ~大動脈と夢の架け橋~』
◆◆◆ふるさとの歴史に触れる30分◆◆◆
能登と加賀の地域格差をなくそうと整備された「能登有料道路」と
離島によるハンディを解消するために架けられた「能登島大橋」。
今回はこの2つに注目します。
◎石川県の背骨
能登有料道路の入口(金沢側)から車を走らせると、
すぐに目の前に日本海が広がってきますよね。
あの瞬間の景色がお気に入りだという方も多いのではないでしょうか。
地方が運営する有料道路としては全国一の長さを誇る能登有料道路は、
昭和45年から12年の月日をかけて完成しました。
これは「半日行動圏」・「1日生活圏」を目指した
「県土改造高速ネットワーク」構想がきっかけになったもので、
道路の完成により、金沢~珠洲間が約1時間短縮されました。
総延長82.9kmのうち、羽咋市の柳田ICを境に、
海岸線を走るコースを「シーサイドライン・コース」。
丘陵地を抜けていくコースを「スカイライン・コース」といいます。
「シーサイドライン・コース」では、並走する
「千里浜なぎさドライヴウェイ」が有名ですよね。一方、
「スカイライン・コース」には、ことし4月に新たな名所が誕生しました。
別所岳SAに設置された「能登ゆめてらす」という展望デッキです。
この展望デッキからは穏やかな七尾湾を一望できます。
天気が良ければ立山連峰も見ることができるので、
ぜひ一度、足を運んでみてもらいたい場所です。
そんな能登有料道路でひと際人気を集めているのが、
西山パーキングエリアの「志賀町生産品直売所」。
朝獲れの新鮮な魚介類はもちろん、地元の農家の方が作った
野菜や特産品などなど、品揃えバツグン!
今の時期は加能ガニや香箱ガニ、キノコなどがオススメです。
インパクトのある店にしたいという社長の森さんは、
仕入れのトラックの荷台に「お~い!西山寄らずにどこへ行く」と
キャッチフレーズでも注目を集めます。
能登でこのトラックを見かけた方は、ぜひ西山PAに寄ってみましょう。
◎島民の夢
能登有料道路の全線開通に合わせて完成した能登島大橋は、
それまでフェリーが唯一の交通機関だった島の暮らしを
大きく変えました。
1日5便のフェリーに合わせた生活リズムを余儀なくされていた
島の人たちにとって、橋は30年来の悲願。
橋の完成で、「のとじま水族館」や「能登島ガラス美術館」など
観光施設も次々とオープンし、島の宿泊客数が2倍以上となります。
民宿を営む平山さん夫婦は、「なんてキレイな橋…」、
「我が島も素晴らしい街になった」と感激したそうです。
一番大きく変わったのは水事情。
橋の完成で、手取川の水が120kmを4日間かけて運ばれ、
島の約1000世帯のうち、65%以上を網羅しています。
橋の裏側を覗くと、太い水道管が一直線に島に向かっています。
当時は洗濯物がより白くなった…と言われるほどで、
天秤棒で水を運んでいたのもいい思い出と
平山さん夫婦は今の暮らしのありがたさを実感していました。
能登の人たちにとって、能登有料道路と能登島大橋は、
生活そのものを変えてくれた存在と言っていいかも知れません。
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【リポーター】平見夕紀