7月10日(日) 7:00〜7:30
シリーズ・知られざる石川⑤
『故郷を詠む~金沢の三文豪・季の句』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
日本の近代文学に名を残す金沢の三文豪、その作品の根底にあるのは、ふるさと金沢です。季節の移ろい、昔ながらの文化・・・文豪たちは心の風景を俳句に残しています。
泉鏡花が十歳の頃、父と訪れたと伝えられる行善寺(白山市)。今も残る摩耶夫人像に母の面影に重ね、のちに句を残しています。灌仏や桐咲くそらに母夫人
生涯で1900句以上を残した犀星。不遇の少年時代、心を慰めた雨宝院からの医王山の山々、金沢の町、犀川の眺めや川原に棲む小さき生きものが「俳人」室生犀星を育てました。
くろこげの餅見失ふどんどかな/唐黍の房が乾きし土用かな
徳田秋聲を語る上で忘れてならないのは生誕地すぐ側にある卯辰山。
「向山」の愛称で呼ばれていた卯辰山を「夢香山」と記し、自伝小説『光を追うて』の主人公の名を「向山
等」にする等、並々ならぬ思いがあったことが伺えます。
生きのびてまた夏草の目にしみる卯辰山に立つ秋聲の文学碑には、大病から再起した時に詠んだ一句が収められています。
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀