1月23日(日)7:30~8:00
シリーズ・いしかわの礎④
『小松・能登 2つの空港物語』
◆◆◆ふるさとの遺伝子を探る30分◆◆◆
みなさん年末年始はどう過ごされましたか?
生まれ育ったふるさとへ帰ったり、里帰りする家族を迎えたりと、
ゆったりとした時間を楽しんだ方も多いと思います。
◎小松空港の意外な素顔!?
今回は小松と能登、2つの空港をめぐるお話です。
小松空港、正式名「小松飛行場」は昭和36年、
自衛隊と民間航空の共用で開港しました。
現在、羽田・成田・札幌・仙台・富士山静岡・福岡・那覇の
7つの国際線と、ソウル・上海・台北の3つの国際線があります。
中でも羽田便の1日11往復は、地方空港としては異例の多さ。
本州の日本海側ではナンバー1なんです!
最大の特徴はルクセンブルクからの国際貨物定期便。
カーゴルックス航空は世界のほとんどを網羅する貨物航空会社ですが、
貨物の専用便が就航しているのも、地方空港としては異例なのです。
もともと日本航路を開設した時は福岡空港に乗り入れしていたのですが、
ナゼ、小松空港に変わったのでしょうか???
小松空港の関係者に聞いてみると、
①小松は日本のほぼ真ん中で関東圏・東海・近畿圏に近い
②貨物専用の大きなターミナル(上屋)がある
この2つの理由を教えてくれました。
年間200万人の利用者がある小松空港ですが、
平成26年に予定している北陸新幹線の開業に向け、
新たな戦略も練っています。
JRと連携した(行きは飛行機、帰りはJRまたはその逆)、
観光客に魅力のあるコース・プランを考えたり、
新幹線を利用して北陸3県以外の人たちにも、
小松から海外へという渡航者の取り込みです。
実際、長野は新幹線を使うと成田より小松が近くなります。
(長野⇒小松空港:1時間40分、長野⇒成田空港:2時間30分)
ということで、これからは国際線の新たな路線も期待されています。
平成18年には滑走路をかさ上げし、小松空港は給油なしで、
世界のどの空港にも直行便を出せる空港に進化しています。
小松空港がこれだけ優れた地方空港だったとは…
恥ずかしながら、今回の取材で改めて気付かされました。
開港50年の節目を迎えた小松空港は、
これからも新たなストーリーを描いてくれそうですね。
◎チームワークに支えられる能登空港
平成15年7月7日に開港した能登空港。
当時の1番機は能登出身の機長をはじめ、乗組員全員が石川県出身!
まさに地元の期待を背負っての開港でした。
能登空港で運航支援スタッフとして働くメンバーは
ほとんどが能登の出身。輪島の漁師町で育った沖崎靖さんは、
開港に合わせて銀行マンから転身し、ふるさとに帰ってきました。
「一度外に出たからこそ、能登の良さが実感できた」と話す沖崎さん。
空港という華やかで活気のある職場、しかも
生まれ育った地元で…と喜びを感じているスタッフも少なくありません。
今回は開港当時のスタッフたちの様子も登場します。
開港までの苦労と1番機が到着したときの沖崎さんの表情に
ぜひ注目してみてください!
そんなスタッフたちはチームワークもよく、開港から6年目には、
旅客案内部門で表彰を受けるなど、
その献身的な仕事ぶりが評価されています。
港内には「花嫁のれん」が飾られ、到着便のお客さんには
抽選でカニなどの特産品がプレゼントされるなど、
能登ならではの仕掛けもたっぷり!
また「道の駅」の指定を受け、コンベンション機能を兼ね備えた
行政機関と一体となった空港は、全国でもここだけ。
能登の空の玄関口として、癒しの空間になっているんです。
小松と能登、それぞれタイプは違いますが、
人やモノを運ぶだけではなく、観光資源の多い石川県の魅力を発信し、
そして旅人を和ませてくれる温かさを兼ね備えた、
まさに石川らしい空港と言えるのではないでしょうか。
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【リポーター】平見夕紀