2月13日(日)7:30~8:00
シリーズ・いしかわの礎⑤
『夢をはぐくむ いしかわ動物園』
◆◆◆ふるさとの歴史を探る30分◆◆◆
ことしは大雪で除雪に追われた方も多いかと思います。
生き物たちもさぞ苦労しているだろうと思いきや、
冬ならではの営みがあるんですねぇ。
◎旅立ちはもうすぐ?
去年、新潟県の佐渡から2組のつがいのトキがやってきました。
いしかわ動物園はトキの分散飼育地として全国から注目を集めています。
本州で最後となったトキが能登半島で保護され、
佐渡島に送られたのが昭和45年。あれから40年の時を超えて、
まさに里帰りを果たしたトキですが、2組のつがいから生まれた
8羽のヒナたちはすくすくと成長しています。
現在、動物園ではライブ映像での観賞ができますが、
いつの日か、石川の大空を舞う美しい姿を見せてほしいですね。
◎愛された動物たち
いしかわ動物園の一番の人気者といえば?
と聞かれて、真っ先に目に浮かぶのは…やはり「デカ」ではないでしょうか。
もともと金沢市の卯辰山にあったレジャー施設が前身のいしかわ動物園。
全国でも数少ない、県立の動物園として能美市に誕生しました。
平成11年の引越しの際、カバの「デカ」は47歳、
人間に例えるとすでにおばあちゃんでした。
のっそのっそと歩く姿、ピクピクっと動く耳につぶらな瞳。
毎年、敬老の日になると地元の園児たちが「おからのケーキ」を
プレゼントする様子は、みなさんもよく覚えているでしょう。
そのデカが去年8月5日、世界長寿2位の58歳で息を引き取りました。
亡くなった直後、訪れた人たちのメッセージを見れば、
デカばあちゃんがどれだけ愛されていたかが伺えます。
その一方、動物園は新しい命が誕生する場でもあります。
去年11月に生まれたアミメキリンは、両親の愛情をたっぷり受けてほしいと
「キズナ」と名づけられました。
1歳6か月になるチンパンジーの「ハロー」は、
甘えん坊でいつもお母さんの「メロン」にベッタリ。
ところが1歳年上の姉「イチゴ」は、ひとりぼっちです。
チンパンジーは本来、群れで行動するのですが、
「イチゴ」は生まれた直後、母親から子育てを放棄され、
このままでは死んでしまうと、人工飼育を余儀なくされたのです。
家族と楽しく暮らせるようになるのはいつの頃でしょうか…
動物園には動物たちのいろんなドラマがあるんですね。
◎楽しく遊んで学べる動物園
動物の展示のみならず、いしかわ動物園が力を入れているのが
「学習教育」裏側探検ツアーや動物映画会などの各講座。
月に1度開講し、学校にも出張授業を行うなど、
教育普及活動を行っています。
そしてもうひとつの特徴が「エコ活動」。
1日に約250kgも出るという糞やエサくずを有効利用しています。
早ければ4か月後には有機肥料なり、
動物のえさとなる草などを育てる…という、まさしくエコな訳です。
冬場の動物園の動物たちはどうしているんだろう?という皆さん。
冬の間だけつがいで見られるレッサーパンダのように、
実は今だけの楽しみ方もあるんです。
合わせて、動物園の取り組みにも注目してみてはいかがでしょうか?
いしかわ大百科
【OA】日曜 午前7:00~7:30 ≫≫≫「ぶんぶんセブン」「弦哲也の人生夢あり歌もあり」と週替りで放送
【リポーター】平見夕紀